「じゃ、上行こっか」

「カズは直ぐ来るんだよね?」

「まぁ~飛ばしては来んだろ」


ずっと違和感があった。

小学校から一緒の圭君が、幹部に居ながら副総長でない事に―――

ならば、圭君以上にこの稔って人物が右腕として有能だと云うこと。






バイク音が近づいて来る。

だんだん近くなるその音は、おそらくカズのもの

「此処で良い。私、馬鹿女じゃないんでしょ?余計な事は言わない。今日は…」


近付いて来る足音

周りの緊張が伝わってくる



―――懐かしい。黒龍の総長


でも、今は違う。

私の知ってる黒龍じゃないんだ。

だって後ろに立つ人物は―――



「―――カズ」