分かってる。私にとっては幼なじみのカズでも、此処では――世間では違う。

随分遠い存在になってしまった…



でも、私ならカズを呼べる。

総長幹部の居る部屋の位置は良く分かってる。

窓の下から呼んだ時、どう聞こえるかも――






「おいっその女、紅燕の姫じゃねぇか」

踵を返した私の耳に届いた、そんな声



どうしよう…

蓮司達は関係無いし、迷惑を掛けれない……






「黙れ騒ぐな」

「「「「「優希(さん)」」」」」


またしても、救世主登場だ。

私の後には黒龍幹部――優希と圭君が立っていた