真っ直ぐ見る目を反らしたくなる。

別に言えない訳じゃない。


でも、軽はずみに口にして………それで、それでまた人生を壊すの?
私のせいで全てを手放したあの人に、またそれをさせるの?



「私は…。…………今は言えない。でも、全て終わったら皆には聞いて欲しいの…」

勝手な話だと思う。都合良い事ばかり言ってる。

でも。私は皆が、蓮司が――――





「……………そうか」

「おいっ蓮司!」

背を向けて1人バイクへと向かう蓮司に叱責の声が飛ぶ

「それがお前の望みなんだろ」


………お前。蓮司は普段、そんな冷たく呼ばない。そんな冷めた目で見ない。