私もいつもの席に座る。

蓮司の右隣にあるソファー


蓮司は読んでいた雑誌をテーブルに投げ、腕を組んだ。


蓮司と話がしたいのは本心で、聞きたい事が沢山ある。

知りたかった。

蓮司と皆の出会いを、蓮司自身の事。
そして、紅燕という暴走族の事を……


だって、知らないから。

知ろうともしてなかった。
また暴走族に関わるなんて思わなかった


それも、黒龍ではない族に――




「話。すんじゃねぇのかよ」

「あ、ごめん。………蓮司の事聞かせて?何で紅燕に入ったの?」




私は今日で此処を去る。


それなのに知りたい。
矛盾するこの気持ちを――何と呼べば良いの?