喫煙所に着くと、鈴は自分の膝を抱えて座っていた。

顔は膝に押し付けて見えないが、肩が、身体が、少し震えている気がした



「鈴」

脅かす気は無かった。

静かに声を掛けたつもりだが、鈴の肩は大きく揺れた。




「隣、座るぞ」

まだ顔を上げず、返事もない。



さっき、あいつ等に言われた事を思い出す。

俺も覚悟決めなきゃだな

「悪かった。……もう、傷付けないって誓ったのにな」


鈴は俺が見付けたんだ。

何の変哲もない日に。
普通の場所で。

俺が此処に連れてきた

他の女と違うから……欲しいと思った