side*蓮司
「蓮司、どういうつもりだよ」
やたら響く音を立てて閉まった扉を合図に俺に目が向いた。
全部見てんだ。分かってんだろうが。
今の俺には光の態度すら気に食わねぇ。
楽しそうに話して…
引き留めるのもお前で…
今、俺に食いかかってくんのは紅燕や燕姫の為か?
それとも――光自身の為か?
―――ガツッッ
「~~ってぇな」
突然樹が拳をぶつけてきた。
光に気を取られてた事もあり、鈍い音を立て俺の顔に当たった。
樹は強い。
青蛇の件は異例だ。
樹がやられてるのを俺は見たことがなかった。
実際に拳を交えた事も無かったが…