窓から輝いた大きな月を覚えてる


今日みたいに、明々とじゃない。

いや、明るかったんだけど…空が明るくて――

そう、夏の夜の満月



今日の月を――頭上に輝く満月を記憶の月と比べる




―――――ガシャン


月を遮るように硝子が輝き、降ってきた

2階の部屋から…

蓮司達の居る窓から…



光を反射させ、綺麗に舞う硝子


それは、私の記憶を抉ってきた





私が忘れてた存在を――

私が忘れてた記憶を――

そして、私が何者なのかを




「………ごめん、なさい」



――――全て、思い出した。