兄さん達は程なくして戻って来た。

次々と。
その皆におかえりを言った

でも、樹がまだ戻って来ない




「鈴さん、せめて中入って下さい」

私が立って居るのは外

出入口だから全員を見れるし、2階からの灯りが当たる明るい場所


「ん~。もうちょっと」

「ですけど…」

「寒くないよ。私ずっと車だったし。ねぇ……樹がどの辺走ってたか分かる?」

「樹さんならそこで見ましたよ。純と話してたんで俺ら戻って来たんすけど…」

「純と?……すぐその辺?」

「そこの角を曲がって……って帰って来ましたね」


辺りにバイクの重低音が響いてきた