倉庫の中は凄かった。

何が凄いって………

音に広さにバイク
数に臭いに髪の色

とにかく全てだ。


紅燕は暴走族

隣の優しい男を見ながら思い出した



「こっちね」

挨拶をする騒がしい声

私を見る好奇の目

全てを無視して右端にある階段へと私を導く



この男も暴走族かと疑いたくなる


「何で私を連れてきたの?」

だから無駄とは思わかなった。
訊くことを――


顔を、目を見ながら真剣に問う。



男も此方を――目を合わせてフッっと笑った