目が覚めた時、まず目に入ったのは綺麗な赤色


「……蓮司?」

どうしてそんな悲しそうな顔してるんだろ?



「悪かったな。遅くなって…………怪我、痛むか?」

伸びた手が優しく頬に触れる


殴られた時の、傷

触れられた手に、ピリピリする痛みでやっと思い出した。



「蓮司。……ここ、は?」

「アジト…紅燕の」


重い体を動かす気になれず、目だけで辺りを見渡した。

天井に壁、ベッドにカーテンと全て見覚えある

確かにアジトだ。
2階の、いつもの部屋の奥にある小部屋



カーテンの先は明るみ始めの空

多分、金曜日の朝だろう