その時気付いた。
離れた所に居る、1人の男


周りの男達よりも明らかに年上の、楽しそうに傍観してる人物……

不意に上がった口の端


私は、あの男を知ってる!





「――樹っ!」

嫌な予感がし、視線を樹達に戻した瞬間に見えた鉄のパイプ

樹は私の声に反応し、素早くいなした


辺りを見ると、ほぼ全員が手に鉄パイプを持ってる


男達はそれを縦横無尽に振るう

ほとんど狙いも付けずに

少し距離のあった私の元にまで




「鈴っ!」


目を瞑る直前は、暗くなった目の前と樹の声