怖い。

純の背中が視界の大半を占めるが、それでも気味悪い男達が見える。

ニタニタと笑うその顔――


「幹部と姫が揃う……用件なんて一つしか無ぇだろ」


嫌だ!その先を聞きたく無い。
やめて――――


「潰すんだよ、紅燕を」
『潰すんだよ、黒龍を』


2つの声が重なった。


無情にも発せられた言葉

一番前に居る男
一番不気味な男




「紅燕は潰れない」


また低く、はっきりと発せられた言葉

不思議と私を落ち着かせる、絶対的な自信

恐怖心は残ってる。
でも大丈夫だよね?

―――――――蓮司っ