売店へ向かうあいつらを無視して鈴の手を引いた。


夏とはいえだいぶ太陽も傾いた。


そんな中向かうのはこの遊園地で一番でかい観覧車




あいつらが邪魔しに来たせいで乗り物殆どを制覇した。


乗ってないもの。
そして時間を稼げるもの…

その程度で決めたはずなのに



「う~~わ~~~」

乗ってすぐ窓に張り付き歓声をあげた。


観覧車が上るよりも更にゆっくりと沈む太陽に鈴は目を向けたまま。

正面に座り、ただ鈴を眺めた。

太陽で赤く染まる鈴を――