「――――戻るぞ」


クルリと振り返り、鈴の肩を抱いて戻ってくる。
和也に背を向けて


「おいおいおい」

いくら何でも無謀な行動だろ。
我が総長ながら呆れるぞ






「――鈴!何で分かった?」

「………」

その声に鈴が足を止めて振り返る。
でも応えない

「分かったんだろ。何でだ?」

「………」

和也は更に言及する。
何が可笑しいのか、口元には笑みを浮かべて


「鈴、龍姫にならないか?そんな奴やめて。こっち来いよ」

「てめぇ。ふざけた事ぬかしてんじゃねぇぞ」

すかさず反応したのは勿論蓮司だ。

俺が喋るより遥かに早く。
そして、遥かに低い声で。



「鈴行くぞ」

俯いて応えない鈴を促して