「冗談だろ。相変わらず冗談通じねぇよなぁ鈴は」

隣に座った男が声をかける。


相変わらず?
しかも、鈴って呼び捨て――



「………………圭君?」

目しか見てなかったから気付かなかった。

懐かしく、見覚えある顔立ち
髪を白銀に染め上げた今でも昔の面影が残ってる。

「当たり。久しぶりだな」


松本圭<マツモトケイ>

私とカズのクラスメイトだった。
カズと仲が良く、カズといつも一緒に居た私をよくからかってきた。


「圭君も黒龍だったんだ」

可愛さの無くなった今の姿に君付けするのも可笑しいが、昔の馴染みだろう。


「圭は覚えてんだな」