校門前にある黒い車に乗り込むのだろう。
人垣が校門から車に続いてる。


まぁ校門に居るんだから近付いて来るのは当たり前だ。

前に居る女の人達の体の向きが変わるから紅燕の居場所がわかる。


ちょうど正面辺りを向いた



「…………っ」

あいつ、昨日のキス魔

女の人達の隙間から見えた、忘れたくても忘れられなかったあの男


「…紅燕………なの?」

ポツリと呟いた。



歓声の中に零れ落ちた声なのに…

あの男は静かにこちらを向いた。