翔太の姿を見た途端、抱き付き縋った

「ごめん、帰る。お願い翔太……帰らせて」

俺の手を振り解いて。



「………分かった。鈴ちゃん行こっか」

「おい翔太!」

こんな状態の鈴を帰せる訳が無い。
翔太に伴われて歩く鈴の手を掴もうとすれば

「蓮司、そうゆう約束だから今日は連れて帰る」

翔太に阻まれ睨まれた。




「鈴、明日も来んだろ」

「………」

光の呼び掛けにも俯いたまま答えない。



扉を開け―――倉庫を去ってゆく