小さな鞄で戻って来た鈴ちゃんをバイクの後ろに乗せてアジトへ向かう



「じゃあ、合図は「帰る」の3文字ね。約束はちゃんと守から」

「うん」

「間違えて言わないようにね」

「大丈夫」

やっと漏れた小さな笑み。
アジトの前、バイクを止めて最終確認をする。



鈴ちゃんはまた緊張してる。

初めて連れてきた日を思い出すな……


「あ、ちょっと中入るの待ってね」

「え?」

「すぐだから」


扉を半開きにしたまま自分だけ中に入る