そ、そんな・・・いきなり・・・

恋愛経験のないあたしにはどう反応していいのか分かりません。

戸惑っているあたしの返事を聞く前に、先生はゆっくりと顔を近づけてくる。

あたしはギュッと目を瞑って、されるがままになろうとしたら、唇に触れる寸前でピタリと動きが止まった。

「ところで・・・・杉山の告白はどうなったの?」

リアルな先生の言葉に、あたしは瞑っていた目を大きく見開いた。

「美咲」

早く言えとばかりに名前を呼ばれて、あたしは言う事に決めた。

「えっと・・・・さっき・・・・お断りしようとしたら・・・言う前に口を塞がれて、携帯番号とメールアドレスを書いた紙を無理矢理渡されました」

「・・・・・・口・・・・塞がれた?」

先生の優しい笑みは消え、声も低くなった。冷たい瞳に、あたしはドキっとしてしまった。

「・・・・・あっ・・・・手でっ」

最後まで言い終わらないうちに先生の唇が、あたしの唇に触れた・・・。

突然の事に驚いて、何が起きたのか分からない・・・。だけど、触れた唇は熱かった。

触れるだけのキスを長い間、されるがままになっていると、先生はゆっくり離れてあたしを抱きしめた。