-----------




「おはよう、美咲・・・・今日は随分とすごい頭だね」

朝学校に行って、あたしの姿を見るなり沙絵子が口にした。案の定、あたしは遅刻ギリギリで鏡を見る時間もなかった。

昨日も乾かす前に寝ちゃったから、きっとすごい寝癖がついてたんだと思う。

「もう、せっかくの綺麗な長い髪が台無しでしょ」

そう言ってあたしを座らせて、沙絵子は髪を触り始めた。沙絵子が自分で持っているスプレーをあたしの髪にかけて、クシで梳いていった。

すると、突然真海があたしの顔を覗き込んだ。

「・・・・・何かついてる?」

「・・・・・・・何かあったでしょ?」

「え!?」

「何か・・・美咲の顔いつもと違う」

あたしどんな顔してるんだろう?そんなに分かりやすいかな?

「いつもと普通だと思うけど・・・」

「あたしたちの目を誤魔化そうったって、そうはいかないわよ。人の顔色とか読むの得意だから」

確かに何もなかった訳じゃないけど・・・いつも自分から言う前に気づかれてしまうなんて・・・やっぱりあたしは隠し事なんて出来ないのかも・・・。