杉山くんは特別かっこいい訳ではないけれど、笑った表情なんかは可愛らしくて、クラスの中では密かに人気も高い。真海も【かわいいよね】と言っていた事があった。

「あの・・・話って何かな?」

あたしが問いかけると、杉山くんは何故か少し頬を赤らめた。

「うん・・・・・あのさ・・・・」

「うん?」

少し戸惑ったように口ごもっていたけれど、突然勢いよく両肩を掴まれた。

「俺、椎名の事好きなんだ」

「・・・・・・・・・え?」

今杉山くんが何を言ったのかすぐに理解出来なかった。杉山くんはさっきよりももっと赤くなって、真剣にあたしを見つめている。

「・・・・ずっと椎名の事・・・可愛いなって思ってて・・・それで、笑った顔とかホント好きで・・・・だから・・・俺と付き合ってください!!」

ゆっくりと真剣に杉山くんは言葉を繋げていた。あたしは断るとかそういう事よりも先に、自分が告白されているという事実が受け入れられなかった。

「あ、あたし・・・別に何の取り柄もないし、・・・・・地味だし・・・す、好かれるような事・・・」

「そこらへんの自分を飾ってるバカな女より、俺は地味でも自然な方が好き。椎名はもっと自分の事認めてあげた方がいいよ」