先生に抱きしめられたことは嬉しい事だけど、恥ずかしい。
「いやー、美咲が告白なんてねー」
告白?あたしは告白なんてしてないのに・・・
「その調子で頑張るんだよ」
「積極的な事はいい事だからね」
2人の会話にあたしは全く付いて行けなかった。
「ちょっ・・・ちょっと、待って!!あたし、先生に抱きしめられただけで、告白なんかしてないよ」
何とか2人の間に割って、そう口にすると、真海と沙絵子はキョトンとした顔であたしを見つめてくる。
「何、言ってるの?」
「ヤキモチ妬いてましたーって先生に言ったんでしょ?」
「そ、それは言ったけど、好きだなんて言ってないよ」
好き=告白だと思っていたあたしに、真海は大きく溜息を付き、沙絵子は苦笑した。
「美咲・・・・好きって言葉にするだけが告白じゃないんだよ?」
「え?」
「だってヤキモチ妬いてましたーなんて言ったら、普通はそこで自分の事好きなんだって思うから。告白してんのと一緒だよ」
あまりにもリアルな現実にあたしは気が遠くなりそうだった。
自分がとんでもない事を先生に口走っていたんだと思い知らされ、また大きな悲鳴を上げてしまった。