《梨花サイド》

キーンコーンカーンコーン〜♪


休み時間開始のチャイムがなった。


私はお弁当を鞄から取り出していると教室の外から声がした。


「りーんーか♪」



「あ、凛々ちゃん」


私の名前を呼んだのは、違うクラスになっちゃった、親友の山田 凛々(やまだ りり)ちゃんだった。



「今行くからちょっと待ってー」


私はお弁当を手に席を立ち上がった。


すると突然自分の足に躓き転んだ。



否、私は転んではいなかった。


誰かに助けられた様だった。


私は体勢を整え、頭を下げた。


「有難うございます!」




顔を上げるとそこには立花 光(たちばな ひかり)君がいた。


「お前、もっと気をつけて行動しろ」


「うん。気は付けてるんだけどね。ぇへへ」


私は頭を少しかいた。


「お前がドジる度に俺が動くんだぜ?!ちったー、人の気持ち考えろ!」




「う、うん。…有難う光君」



「梨花ー?!」


「あ、じゃぁ行くね?本当に有難う」


私は軽く手を振って出口に走りだした。


その時




「ねっ願田!」



「………?」


誰かに呼ばれて振り向くと光君だった。


「…何?」


「ん……何でもねーよ!!ほら、さっさと行け!」


「?うん」