保健室で気が付いて、真凛ちゃんに話を聞いたら、担任がここまで運んでくれたらしい。
暑さと食べてなかったことから熱射病のようになったらしく、あのまま真凛ちゃんが探してくれなかったらさらに2、30分陽射しの中で倒れたまま…危なかったそうだ。
母が2時半ころ迎えに来てくれて部屋でやすむことにした。
…*…*…*…*…*…*…
ドタドタっと足音がして、意識が浮上し始めたところに「咲希っ!!」と入ってきた兄…。
そして目を開けてる私をみて、近づきギュッと布団の上から抱き締めてきた。
それだけで私は安心し、そして『ごめんね』と心の中で謝った。
「何があった…」
その目は既に事情を知っているような、でも私に確かめようとしてる、そう感じさせた。
「ん~、熱射病で倒れた…」
「そうじゃなく、竜斗とだっ!」
私は自分の言葉で他の女の子と関わってる竜の話をするのが、嫌で、無言でいた。
「帰りに真人から電話があった…」
『へぇ…中野君ともそんなに親しいんだぁ』
どこか他人事のようにして過ごしていたくて、無理に笑ってしまう。
「たぶん…竜斗が家に来る…
お前…会う気あるか?」
「え…」
そんなの、出来ないに決まってるよ…
無理だよと、首を横に振った…