無性に腹が立った俺は、次の休みに竜を怒鳴り付けた。


部活に出てきた竜のことも、無視してやった。


俺だけでなく、部員みんなが竜を無言で責めていた。


…*…*…*…*…*…*…


「…マサ…」


部活後に話しかけてきた竜を一瞥すると、今にも泣きそうな情けない顔をしていた。


このままじゃどうしようもないから、仕方なく話してやることにした。


「なに?今日はいいわけ?
あの女とのデートは。」


嫌味を言うとさらに苦しそうにしながら…


「そんなじゃないんだ…俺…
俺、咲希の為にって、咲希に喜んで
欲しくて、それで…」


「へぇ~、偉くなったな?
肝心の咲希ちゃんは傷付いて
陰口やら中傷されて、倒れて…
昨日、今日と俺は咲希ちゃんの笑顔、
一度も見れなかったぜ?」


「……咲希っ…」


「あの、下田って女に踊らされて
ちゃんと咲希ちゃんを見てないから
こんなことになるんだ。
今回ばかりは周りの噂、
イヤでも耳に入っただろ?
事実はどうであれ、お前らは
噂みたいになったと思われるようなこと
してたんだ。
それで、一番喜んでんのは、
喜ばせたかった咲希ちゃんじゃなくて、
お前をものにしたかったあの女だ。
……咲希ちゃんが、お前のとこに笑顔で
戻らないって可能性、あるからな、
覚悟しとけよ…、じゃ」


さぁ、竜、どうする?