「り、竜?今日は…
快勝だったね、おめでとう」
「あ、ありがとう…
今日は、特に勝ちたかったし、な…」
そう言うと、真剣な、そして優しい眼差しで私をじっと見下ろしている。
そして………
…「キス…いい?」
私は………体中が震えていたが、それでもそっと目を閉じた。
竜の、たぶん指が…そっと顎を持ち上げて私を上に向かせて…肩をつかまれて…
閉じたまぶたが小刻みに震えていたが、じっと待っていた。
気配を感じ、竜の吐息を感じ…温かい唇がそっと私のそれに触れて…
どのくらいかな…
止めた息がだんだん苦しいと感じたころ…きっと秒数にしたらほんの4、5秒程度だと思うけど…温もりが離れていった。
そっと、目を開けて竜を見上げると、耳を赤くして照れてる、優しい眼差しの竜と目があった。
かぁ~っと全身が火照り…恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
ニコッと笑った竜が「嬉しい」と小さく言った。
私と竜との、first kiss…
大切なkissになった。
『私も嬉しい…ありがとう…竜』
そして私は家に入り、竜は帰っていった。