金曜の夜に義希さんと話をして、最初は悔しさと苛立ちで、どうにかなりそうだった。
咲希が…俺の大切な咲希がそんな酷く傷つけられ、しかも……“キス”……きっと咲希にとってのファーストキスが、そんな嫌なやつに奪われてたなんて、殴り倒しても足りない気分だ。
ともかく、咲希が急に観に来ないと言った理由が分かってホッとした後、咲希には悪いこと言ったなぁと落ち込む。
俺は…正々堂々、咲希に俺と義希さんの試合を観て欲しい…
咲希は悪くないのにこちらから避けているのも、納得いかなくて…
真人に電話して、事情を話せば“バスケで勝とうぜ”と言ってくれ、咲希のことは部員みんなで注意していこうとも言ってくれてほんとに心強かった。
夜中になる頃、咲希にメールし、来てくれるよう思いながら“大丈夫”と送った。
…*…*…*…*…*…*…
8時集合で会場をセッティングし、軽く練習していると、先に清真が到着した。
「はよ~ございまぁす」
「お邪魔しまぁす」
集団の中に義希さんを見つけ挨拶にいく。
「ちわぁ~す、義希さん、咲希…
どんな様子でしたか?」
「オス…こそばゆいから義希でいいぜ?
咲希はたぶん、来る、おにぎり
作ってたし(  ̄▽ ̄)」