俺の話が止まっても、電話の向こうからは反応がない。
まぁ…当たり前か…自分の彼女が他のやつにせまられてしかも…まさか、キスまでされてたとなれば…
咲希は純心なやつで、これがようやく初めての彼氏なのに、ファーストキスは経験済みとか…お互いにショックだよなぁ。
「おい、竜斗…聞いてっか?」
「あ…ぁあ…聞いて、る…」
「ま、咲希は自己防衛のために
あんなに行きたいって騒いでた試合を、
観に行くのやめたんだろ、きっと。
まぁ、咲希が来ないならとりあえず
後藤も何も出来ないだろ、
そうゆう訳だから、これからも頼むな」
そこまで言って電話を切った。
竜斗がどうするかは…まぁ、なんとなく想像つくけどな。
たとえ、どんな場面になっても、俺は咲希を“守る”って決めてんだ。
春の停学だって、後悔してない。
あの時…咲希を押さえつけて無理矢理キスしてる後藤を見つけたとき、とても言葉では言えない憎しみやら怒りが沸いて考えるより先に動いてた。
それで、傷付いた咲希をさらに俺の停学で、悲しませてしまった。
今回は竜斗も、いる。
明日は、必ず咲希を守る。