火曜のちょっとした部室での騒ぎの後、特に部内は問題にもならず、土曜の練習試合に向けて練習に励んでる。


俺と咲希には変化があって、ついに、咲希が俺を“竜”って呼んでくれて、敬語も日々少なくなってきてる。


『あぁ~!すっげぇ、嬉しいんだよなぁ』


照れた赤い顔で“竜”って呼ばれると、もうそれだけでどうしようもなく、抱き締めたくなったりしてしまう。


実は…火曜日に“妬きました”と真っ赤な顔でいってくれたあの時も…“キスしたい”と初めて強く思ってしまい、そんな自分に焦った。


…*…*…*…*…*…*…


木曜の昼休み、咲希が聞いてきた。


「あ、あのね…竜…
土曜の試合って生徒は観に行って
大丈夫、かな?」


「あぁ、大丈夫なはずだよ。
一応監督に聞いとくよ。
観に来てくれんの?」


「う、うん…えっとね。
私はもちろん、竜、がいいって言ったら
観に行きたいな。
実はね、真凛ちゃん、わかる?」


「お~咲希のクラスの…
たまに一緒に体育館にいるよな?」


「うん、そう。クラスで一番
仲良くしてもらってる
とてもかわいくていい子なの。
その真凛ちゃんが、試合観たいって…」


「へぇ~、誰目当てだろ…?」


咲希を見ると“知ってるけど言えない”ってバッチリ顔に出てて笑ってしまった。