最後の最後に恥ずかしさが“くん”をつけてしまった…。
「あれっ?いま、余計なのついた、
もう一回、呼んでみて」
すかさず言ってくる桜…じゃなくて竜…
「ぅぅ…り、りゅ、う…(/// ///)」
「ありがとう、咲希」
そう言って頭をポンポンとしてくれた。
見上げると、ほんのり照れて赤い頬の竜が、私を優しい目で見てくれてる。
「俺さ…敬語がなくて話す
お兄さんに、してもしょうがないのに
ヤキモチ妬いたんだ…」
素直に兄への嫉妬を感じたと話す竜。
私も、言ってみようか…?
「実は…私も嫉妬…しま、した、よ?」
「えっ?誰に?」
「う~ん、学校のたくさんの人?
私は…なかなか名前で呼べてなくて…
でも、り、竜…はみんなから、
親しみを込めて呼ばれてて…
お昼の清水さんも…“竜斗”って…
だから…ヤキモチ…妬きました…」
どんな反応されるかドキドキで、顔があげられない…
すると、竜が私の顔を覗き込み、「すっごい嬉しい…」と笑顔を見せてくれた。
ゆっくり顔をあげて真っ直ぐ竜を見つめる。
私も、竜の兄への嫉妬は嫌ではなかった…むしろ、それだけ想ってくれてるのかな、なんて考えた。
“嫉妬”が二人に、改めて大切だと気づかせてくれた。