教室に入り自分の席に着くと、森田らバスケ部員はすでに着席していて、チラチラ俺を見てる。


俺は、大丈夫って意味を込めて軽く手を上げて答えた。


“あつかましい、ごますり、邪魔…”清水があんなことを言うやつだったとはとても信じられなかった。


何がそんなに清水を苛立たせたのか…さっぱり分からず、後で真人に聞くしかないと思った。


…*…*…*…*…*…*…


体育館に行くと半数位はすでに集まり、仕度したりアップしたり。


ぐるりと見渡すと、清水と1年マネージャーが足吹き用雑巾を床に置いたり、ボールを倉庫から出したり…。


真人がまだ見当たらなかったので、先に清水と話をしてみようと近づいた。


気がついた清水はバツの悪そうな顔で「何?」と一言だけ…。


「なぁ…俺さ…全く分かんないんだ。
清水は…咲希が嫌いなのか?
だからあんな…」


「大っ嫌いよっ!!
これで満足?もう…
早く向こう行ってよ…」


何故咲希が責められたのか、理由を知りたくて、単純に“嫌いだから”なのかと思ったんだが、苦しそうな顔で吐き捨てるように“大嫌い”という清水のことがわからないままだった。


「お~し、練習始めるぞぉ~」


何も分からないまま練習が始まった。