顔中が熱く…きっと真っ赤だろう私をよそに、桜井君は平然とその指を舐めてた。


「竜斗っ!ここ部室なんだからね!」


いきなり、マネージャーが睨みながら怒鳴ってきた。


「?部室って分かってるよ、
俺、何かやらかした?」


それには答えずに今度は私を睨み付け…


「星谷さんだっけ?
ちょっとあつかましいね?
彼女だか知らないけど、ごますりのために
差し入れまでして、イヤらしい…
ハッキリ言って邪魔…」


そこまで早口で一気に言いきった。


「清水っ!!」


桜井君が、たぶんマネージャーさんの名前だろう…怒鳴って睨み付けた。


私は…桜井君と付き合うようになって、いろいろと言われることはあったけど、最近は減っていて、それがこんな風に大勢の前で、存在否定気味に言われたことに、驚きショックだった。


「清水…今のは酷いだろ…
咲希はあんま来たがらないのを
俺が何度も誘って、
それでも、居るのは悪いって
差し入れしてくれたんだ!
しかも、邪魔ってなんだよ!!
ほとんど、しゃべらないで
はしにいただろうがっ!」


立ち上がり私を後ろから包み込むように腕を回しながら、初めて聞くくらいの大声で私を思って言ってくれた。