「マジ!?ありがとー!!」


かなりの大声で言うから、みんなの視線が痛いほどこちらへ。


「森田うるせぇ…
咲希、俺らも食べながらなんだ、
だから、弁当出していいよ」


周りを気にせず私を気遣ってくれる。


小さく頷き、桜井君に聞こえるだけの小声で「これ…ね。お邪魔して申し訳ないから…差し入れです…どうでしょうか…」と聞いてみた。


「皆さん~、弁当足りない人はこれ、差し入れっす、どうぞぉ~」


受けとると声を張り上げ言ってくれて、ニコリと微笑んでくれた。


「お~いただきぃ」「やったね」など、お世辞もあるだろうが、皆さんに食べてもらうことができ、話を聞きながら私は静かに自分のお弁当を食べていた。


「じゃあ、今度の土曜はテスト前ラストの
練習試合な、今日のフォーメーションは
放課後試すから、以上!!」


10分は経ったろうか、部長さんが話終わり、みんなは一気にリラックス。


お弁当を食べているのは、私と、それまでホワイトボードなど使い仕事をしていたマネージャーだけ。


桜井君は仲間と話ながらも、サンドウィッチも食べたりしながら、今もずっと横に居てくれた。


あと5分ほどで休み時間も終わる頃ようやく私は食べ終わり、すると桜井君が「ん…」と指を口元に持ってきて、汚れを拭ってくれた。