6月最終週の火曜日…朝の登校の時にいつものようにお弁当を渡して、“お昼休みは部室へ”と言おうとしたが、なんとも恥ずかしくて結局言えないままになった。


昼休み、部室へ向かう中野君を見て、『よしっ!行こう…大丈夫…桜井君は待ってる…』と気持ちを奮い起たせ、みんなでつまめるようにと用意したミニサンドウィッチを持ち歩き出した。


…*…*…*…*…*…*…


“コンコンッ”とノックすると、「はい?」と1年らしき男子がドアを開けてくれた。


「あ、あの…「竜斗さんっ!!彼女さんっすよ!」


私が名乗る前にその男子は中に向かい大声で桜井君に呼び掛けていた。


すると、“ガタッ…ドンッ…”と音が聞こえた後でドアまで桜井君が来てくれた。


「咲希っ♪いらっしゃい」


そう言って手を引き、きっと今まで自分が居たであろう席まで連れてきてくれて、隣に座らせてくれた。


直ぐにキャプテンらしき人の話が再開した。


極度の緊張で下を向いてた私に、肩を“ツンツン”としてくる人が。


そっと振り向くとあの日の、“ふざけんな”さんが居た…。


そして、「あんときはごめんなっ?許してくれる?」と聞いてくるから、「もう、気にしてません…」と小さく答えた。