「はい」


チラリと上目使いしながら俺に返事をする。


その恥じらう感じがなんとも言えずに……


あぁ~ヤバイ…


なんだか、自分が自分でないような、変な感じだ。


初めて、女の子を抱き締めたい…と思ってしまったんだ。


何とか衝動を抑えて学校へ。


昼の約束をしてそれぞれの教室に入った。


…*…*…*…*…*…*…


体育館裏に行くと、すでに座って待ってる咲希がいた。


今日の弁当も美味くて、ありがたく頂いた。


今日は周囲の声は少しおさまった感じがしたし、一緒に校内を歩かなかったから、咲希も嫌な思いはしなかったみたい。


帰りはどうするかを話したら、駅で買い物をする約束があるって言うから、今日は俺は真人達と帰ることにした。


このとき、“誰と”とは聞かなかった。


無意識に、咲希には女友達しかいないだろうと思い込んでいたから。


…*…*…*…*…*…*…


放課後、バスケ部の仲間と少しミーティングしてから駅に向かった。


真人からは“うまくいってるのか?”なんてからかわれたりしながら歩いてると、俺の前を歩いてたやつが急に止まって「おい…あれ…」と何かに驚いた様子。