「我々としては…桜井君が
狙われると、考えています…」


高橋刑事が話し出すと、咲希は納得のいかない顔で、でも口を挟まず続きをまってる。


「そこで、実際には人数を増やし桜井君を
守りますが、犯人に姿を
現してもらうため、わざと
隙を作ろうと思います。」


「竜がっ!竜に何かあったら…」


咲希が珍しく大きな声で高橋刑事に詰め寄る。


「今朝、桜井君のお宅の前を
何回も往復する不審な男性を
確認しました。そして
これを…」


山本刑事が出したのは、ピンクの封筒と写真、何か書いてあるらしい紙が、透明な袋に入ってた。


『うわぁ…テレビドラマみてぇ…』


なんて、自分のことのはずなのに、なぜか冷静になれてる俺。


「何て…?」


咲希の母親が咲希を急かす。


「お待たせ、消しにいく」


読み上げられた文章を聞いて、やはり恐怖を感じずにはいられない。


背中がゾクッとした。


「桜井君は気がつかなかった
ようだけど、登下校中に何度か
つけられたり、先回りされて
見られたりしていた。
犯人は桜井君の行動を観察し
何か仕掛けるタイミングを
見ていた、と考えられます。」


俺はいよいよ犯人と対面してしまうのか…不安な気持ちでこれからのことを聞いていた。