そして……
夏休み中に不審な手紙があったこと、それから先週までは気をつけていたが何も起きなかったこと、俺の…ファンに蹴られて過呼吸を起こし、その際ストーカーが見ていて救急車を呼び、写真を撮り翌日送ってきたこと、そのファンが襲われたこと……‥‥
俺がバスケットだけに集中させて貰ってた時、咲希は…こんな苦しみを受けてたなんて…
咲希を見ると「ごめんね…」と申し訳なさそうに小さく呟いてる。
俺は周りにたくさんの人が居るのも気にせず、思わず咲希を抱き締めた。
ベッドに起き上がった状態の咲希の顔は、おれの腹の辺り…あっと言う間にシャツが冷たくなっていく。
「咲希…咲希っ…ごめんな…
気がついてやれなくて…マジごめんな…」
しばらく、咲希が落ち着くまで刑事さん達も待っててくれて、腕の中で咲希が顔を上げたから「続き、平気か?」と聞くと小さく頷いた。
俺は「お待たせしました」と言いながらそのまま咲希のベッドに座って手を繋いでいた。
「え~、咲希さんを蹴ってしまったのは
同じ高校の三年生女子、そして
その子はその日のうちに犯人に
捕まり髪を切られてしまうという
傷害事件の被害者になった。
身体的には髪の毛と、腕の擦り傷だが
まぁ、言葉で脅迫されたようだ。
蹴ったところの写真があると…」