「えっ、なに?…お守り?」
「そうですっ!全部員に
手作りで、ナンバー持ってる人は
ナンバーとイニシャル、
他はイニシャルがついてますっ!!」
「へぇ~すげぇ」「サンキュー」などなど…
「え~…ただ、ですね…
皆さんもご存知のように、わたくし…
家庭科は、あまり…
なんでっ!咲希に手伝って貰ってます!!」
ぺこっと頭を下げたあと、1年のマネージャーにも手伝わせて、ひとつひとつ配っていく。
中身は清水で、それ以外は全て咲希だと聞いて、ハッとした。
そして、俺にも渡された。
中を見ると確かに不器用なナンバーとイニシャルが、刺繍してある。
が、俺のにはさらに小さく“fight”の文字。
他のやつにさりげなく確認したが、やはりそれは俺だけ…。
咲希だ。
「竜斗のには、咲希が手を加えるって
言ってたけど、何てあった?」
横から清水が聞いてきた。
「イヤだ、見せない、教えない。」
「うわぁ…ケチだ…」
清水はそのまま真人らの方に行ってしまった。
それから整列し清水に感謝を伝え、大会での勝利を誓い解散した。
俺は、中庭に咲希が居てくれることを願いながら支度を済ませた。