9月1日から新学期も始まり、いよいよ大会に向けて練習にも熱が入る。
そんな体育館に、咲希が顔を出す…が、俺ではなくて清水のところへ一直線。
『俺には…来てくんないの?』
少し不機嫌になりつつ、練習を続ける。
しばらくすると咲希はニコニコして中庭へ行ってしまう。
6時過ぎ、終わって一緒に歩き出すと「ふぁ…」とあくびをかみ殺し、「ごめんね」と謝る。
何だか無性に腹が立ち、ついに木曜…
「んな、眠いなら練習終わるまで
待たなくていい。先に帰れば?
こっちもそんなぼけっとした顔で
居られても、士気が下がるし」
「あ…ご、ごめん、なさい…」
それだけ言うと、なんともタイミングよく咲希の家の前…。
咲希は「ありがと」と小さな声で言って入ってしまった。
翌、金曜…咲希はまた体育館に来て清水に何かを渡すとお辞儀をしながら出ていった。
練習終わりに、コーチや部長の話が終わり解散になるところで「ちょっと」と清水が声を出した。
清水は立ち上がると手に持った袋から何か1つを手に取り話し出した。
「え~、いよいよ大会で、私も
みんなの力になりたいと、
考えましてぇ…これっ、
作りました!!
これにはめちゃ気持ち込めたんで
頑張って下さい!以上!!」