昨夜は結局『彼氏としてこれからよろしく、おやすみ』と、一時間以上悩んでそれだけ送った。
星谷さんからは『こちらこそ宜しくお願いします、お休みなさい』と返ってきた。
“彼女”フォルダに初メールが収まった。
…*…*…*…*…*…*…
チャイムがなり、昼休みになった。
俺は教室を飛び出して隣のクラス前の廊下に立つ。
『うわぁ…めちゃドキドキする…』
先に真人が出てきて、俺をみてニヤリ 。
そして、後ろのドアを指差す。
そちらを見るとうつむき加減で弁当っぽいのを抱え、星谷さんが廊下に出てきた。
上目になりながら頬を染めキョロキョロしている。
『可愛い…』
俺と目が合う…と、途端にさらに真っ赤になりながらおどおどしている。
俺は急いで星谷さんの傍に向かった。
今日はやたらとみんなの話の中に自分の名前と星谷さんのを聞く。
普段からバスケ部でいろいろ言われる事に慣れてるせいか気にならなかったし、付き合うのを隠すつもりなんてなかったから気にはならなかったが。
「星谷さん…行こう?」
「はい」ときっと言ったんだろう、口元がそう動いていた。
俺が歩き出すと真人が隣に並び、星谷さんは三歩くらい後ろを、遅れないようについてきていた。