「いいよ」


いきなりの後ろからの声に慌てて振り向くと…


「えっ…桜井君…」


『え~~~っ!!ど、どうしよう…』


瞳をオドオドさせて、意味もなく自分の両手を握りしめ…


軽いパニックになってる私、星谷咲希(ほしやさき)。


「いいよ、付き合おう(^_^)」


もう一度、そう言いながら優しい笑顔で私に近づく彼、桜井竜斗君…(さくらいりゅうと)。


いつの間にか目の前に来た桜井君…


なんで、なんでこうなってるの???


…*…*…*…*…*…*…


私、星谷咲希は高校2年生、背は156㎝で小柄なほう、顔はいたって普通、かな…?


消極的で、人に嫌われることはなくても、好かれている感じもなく…友達は少ない。


見た目はどうなのって感じだし、性格も…悪いとまではないだろうけど、コミュニケーション能力の不足って現代において致命的な気がするし、さらには運動も苦手。


ただ、学業の方だけは…人様に聞かれても恥ずかしくない成績(学年10位内)で、それでなんとか学生生活を過ごしている。


こんな私も女子高生らしく、恋をしてる


それが同級生の桜井竜斗君、バスケ部の次期エースと呼ばれるこの人。