甘いmilkchocolate~嫌いなアイツ~





「これでもあげてやりな
ずっと出っぱなしだったんだから
喉渇いてんだろ」

「うん。分かった」

さすがけいはすごく気が利く

私はりんが退場するところに
走っていった

「・・・吉川喜ぶだろ・・・・・」

ふとけいがいうのであった



まだかな・・・

退場する体育館の扉で待っている
みえこにりんの人影が無い

「何やってんだよ」

声のする方に目をやると
目の前にりんが唖然と立っていた

「うわあ!」

「なにがうわ!だよ・・・
そんとこで立ってたらこっちが
驚くわ・・・・・・・・・つーか来てたのかよ」

りんが少し顔を赤くし目線を
外す

「ほら・・・」

みえこも照れながらドリンクを
渡すのであった









「なんだ・・・これは」

「み、みりゃ分かんだろ!
飲み物だ」

「ああ・・・サンキュ!
お前がこんなことするとは
思わなかったから
超嬉しい」

ニコリと元気に笑うりんに
みえこの顔は真っ赤になるのであった

「ううううるさい!
んじゃあげん!」

「なんでだよ!くれよ
こっちは喉渇いてんだよ!」

そのとき

「リンセンパーイ!!」

女の集団がりんの周りに集まり
みえこは投げ飛ばされた

「りん先輩!!すっごくかっこよかったです!!
良かったらハチミツ漬け食べてください」

「りん先輩!飲み物も買ってきたんで
飲んでください!お疲れ様でした」

りんの周りには何十人の人が
集まっていた

りんが見えない・・・









女子の集団にまた入ると
投げ飛ばされそうだしな・・・

女子から飲み物いっぱい
貰ってるだろ・・・

帰ろう・・・

「ちょっと待て!」

女子に埋もれてるりんの
声がした

なんだよ・・・一体

りんは女子の間からくぐり
みえこの前に立った

「そのドリンク貰っとく」

「え、あ!」

ヒョイと飲み物を奪われ
りんは女子みんなに振り返った

「マジスマン!俺・・・あまり
女子から貰わないようにしてるから」

そう言ってりんは帰るのであった

「えええ!!何で!その女だけ!?」

「ずるい!!可愛いくもないのに!」

批判をあびるみえこ

スミマセンね・・・























第5章「嫉妬」

























体育館から出て
校門に向かうみえこ

「試合どうだった?」

誰からかのこえがした

・・・誰だよ

声をする方向に向くと
そこには門に堺が立っていた

一番会いたくない人と会ってしまった

せっかく忘れてたものが蘇って
しまった

みえこは堺を無視し素通りで
歩いた

「りんってやつ・・・そんなに
かっこよかったか?」

「・・・・・・」

「飲みもんなんであげたんだよ・・・」

「・・・」

「たかがバスケ出来るぐらいで」

「いっちいちうっせーな!!
もう!!」

「俺・・・怒ってんだけど」

「・・・!」


振り向くとすぐそこに堺が
立っていた
急に近距離になった2人











―――――キスされる!!

ドン!!

みえこは堺の胸を力強く
押した

「近づくな!!」

みえこはそう言って
歩き出した

あの男なんだよ・・・
何したいのか全く分からない

「・・・・・・クッ」

堺は手を拳にしていた














「あれー?今日はケンジくん
来ていないのね?」

アルバイトに入ったみえこに
店長は店の中をキョロキョロと
見渡していた


「アハハハそうですか」

二度と来んなての

「さぁ今日もしっかり働かして
もらいます!!」

腕まくりして気合十分

「ウフ今日も気合入ってるわね
あ。そうそう
みえこちゃん」

「はいなんでしょう?」

「もうみんなには言ってあるんだけど
今日新しく来たバイトさん紹介するね」

店長はそう言って
男の人を連れてきた

・・・男かよ

無理じゃん

「この子は黒魔 百次(くろま びゃくじ)
高校1年生よ
お仕事一緒になるだろうし色んなこと
教えてやってね」

「・・・はい」

「よろしくッス・・・」

何か暗い・・・
声も低いし・・・


「あ・・・あの・・・」

「・・・・?」

なんだよ・・・








「名前いいっすか?」

「ああ。私は叶内 美恵子」

「よろしくっす・・・みえこさん」

「ああ。・・・うん」

慣れてないから
どう話していいのやら

でも・・・私も逃げちゃいけない

男嫌いだけど相手は後輩
しっかり教えないといけないし
店長に言われたんだから
責任はある

言わないといけないことは
言わなきゃいけない

「えーと・・・じゃあ
黒魔くんは皿洗いについて
教えるから」

「・・・はい」

「お皿洗ったら
ここの台に置いて」

「はい」

「フライパンとか鍋とかは
ここの乾燥台において」

「分かりました」

「コップとかマグカップは
ここにこうやって並べておいてね
後で使うときに取りやすいように」

「はい」

うん
黒魔くんちゃんと真剣に聞いてるし
しっかり返事出来てるし
いい子かも






「よし。これで全部
分かった?」

「はい!今後共よろしくお願いします」

黒魔君は改まって礼を深く下げてくれた

「いいのいいの。そんな礼まで
先輩としては当たり前だから」

「はい・・・挨拶などは母に
教え込まれたもので・・・」

「そっかそっか。お母さん
いい人だろうね」

「まぁ・・・はいいい人でした。」

ん?でした?

過去形?

「もしかしてお母さん・・・」

「ああ、はい。もういないです」

「・・・ごめん」

「いいんですよ。弟と妹2人いるんで
長男の俺がしっかり働かないと
いけないんで・・・だから
よろしくお願いします」

こういうの・・・駄目だ

私と重ねて見てしまう・・・
私も似てるから・・・

私も長女である以上頑張らないと
いけないから
お母さんと妹を幸せにしてあげたいから

「ちょ!!何で泣いてるんすか!
スミマセン!!俺、何かしましたか!?」