とうとうまた学校生活が始まった
桜が満開の下楽しそうに
男女共に校門に入る
私も2年生になり
クラス表を見ている
ところ―――――
「オイ~ス!」
りんが急に後ろから肩をかけられる
「ちょっ!辞めろっ」
本気で嫌がってる私を無視し
話続ける
「お前何組だった?」
「え?まだ探せれてないお前のせいで」
「ま、それよりさ~!!
今日から新一年くんだぜー!
俺の部活に何人入っかな~~!」
目を輝かせウキウキ気分のりん
部活バカはこれだからやなんだよ・・・
ウキウキしてるりんをほって
自分をさがす
何組かな・・・
あ。
あった
私は3組だった
うん。
よかったりんと同じではない
りんと同じだと私に話かけてくるから
女子みんな変な目で見られるんだ・・・
「もう・・・そろそろ慣れろよ
男に。
」
ドスッ!!
「グエッ」
「その話は口に出すなつってんだろ」
「だ、だからって
殴ることはねぇだろ」
「知らない」
りんは幼馴染として嫌いだ
これからお世話になる
3組の前に立つ私は深呼吸をして
ドアのノブに手をかけた
よし。
今日からよろしくデス・・・
3組さん・・・
ガラッ―――――
3組の風景はあまり良くなかった・・・
なんじゃ・・・これは・・・
これをギャルというのか?
化粧は濃くて髪の毛の色は金、茶
ドンッ―――!!
「痛っ」
「あ~ごめんね~アンタがそこに
いること気づかなかったぁ」
ギャルが私にぶつかってきては
そんな態度
謝る気になってねぇじゃねーか・・・
私もここでボーとしてたのも
悪いけど・・・
こんなとこで私は暮らせるのか・・・
第2章「男嫌いな訳」
「ただいまー」
ボロアパートに帰った私は
ため息をつく
「あ!お姉ちゃんお帰り!」
元気よく駆け寄って来たのは
私の妹のまり
まだ小学2年生のまりの頭を
撫でる
「あれ?
お母さんは?」
「ママ。仕事探しに行ったよ」
仕事を探しに・・・??
体が弱いからしなくていいって
言ったのに・・・
無理をするのがお母さんのクセだ
「まりーー。
おりこうさんに出来る?」
まりの目線に合わせかがみこむ
コクりと頷くまりを見て
また頭を撫でてやる
まだ小学2年生なのにいっぱい遊ばして
やれんなくてごめんな・・・
「私はアルバイトに行ってくるから」
「うん。頑張ってね」
にこりと笑う無邪気な笑にまた
胸が締め付けられた
「行ってきます」
私の父は何処かへ逃げた
私たち3人を置いて
ろくにも働かない父が
一生懸命働いて貯めたお母さんの
お金と一緒に消えた
今どこにいるんだろう
とも思わない
帰って来てくれとも思わない
もう父だと思っていないから
男はみんなそうなんだ・・・
自分に都合が悪いと殴って
支配しようとする
お母さんを捨て違う女の
とこに行ってしまったから
男なんて大嫌いだ
死んじゃえばいいんだ・・・
あの消えた男のことも
あるのか私はいつの間にか
男と真面目に話せないし
目を合わせることも出来ない
ようになってしまった
でもまだ話せるのはりんだけであって
りんとはまだ話せるけど
自分からは話せない
触れることもやっぱり出来ない
男への恐怖心警戒心が強いのだ
「あらっみえこちゃん
今日もありがとうね」
「いえいえこちらこそ
ありがとうございます」
私はある小さなレストランに
働いている
もちろん男の人もいるが
女の人の方が多い所だし
何よりここの風景が好きだ
暖色でまとめられている
温かみを感じるレストランは
癒しをくれるし嫌なことが
忘れられるから
このデザインを考えたのは
店長の有希子さんだった
有希子さんはおおらかで
周りの人を和ましてくれる
温かい人だ
デザインも有希子さんらしい
「今日も来てたの?頑張ってるねー」
「はい。お願いします」
声をかけてくれたのは加奈さん
メガネが似合うサバサバした
あこがれの先輩だ
チリンチリン―――
「お客さんが来たようね。
みえこちゃんお願い出来る?」
「分かりました」
店長に言われカウンターの方に
戻る
ゲッ・・・男だ・・・
しょうがない・・・世界が女ばかり
ではない
「ちょっと・・・あの人カッコよくない?」
「きゃー!超タイプ!」
「話しかけてみる?」
など様々な声が聞こえてくる
「いらっしゃいませお一人ですね」
確かに身長は高い・・・180はあるな・・・
でもいまいち男のよさが分からない
それよりさっさと済ませよう
「ご注文がお決まりでしたら
またお呼びください」
「コーヒー」
「あ。スミマセンお決まりでしたか
かしこまりました」
じっと私を見る男の人
なんで見るんだよ・・・
「なんでしょうか―――?」
「・・・・・・」
何も言わず私から目をそらす
私は礼をしてカウンターに戻った
んだよアイツ!!!
こっちは男が嫌いなのにみてんじゃねーよ!!
「まぁまぁ落ち着きなさんな」
肩をポンと置いて苦笑いする加奈さん
「は!バレてましたか!?」
「バレバレ」
「スミマセン・・・」
「コーヒーは私が持って行くから
他のお客を相手してやって」
私の生活背景を知ってる加奈さんに
感謝する
「じゃあオムライスとサラダで」
「かしこまりました」
・・・・・・
ジーーーーーーー
・・・・・・
ジーーーーー
すごい見られてるんですけど!?
すごいやりにくい・・・
なんであの男はこんなに
見てくるんだ・・・????