甘いmilkchocolate~嫌いなアイツ~




「じゃーな」

切ない表情からいつもの笑顔に
戻るりん

「あ!何かあったら言ってね!!!」

りんにそれだけを伝え
自分も自分の家に帰ろうと
足を運ばせる

「みーえーこーちゃん」

「げぇ!!」

振り向いたとたん電柱に
もたれ掛かっている堺がいた

「何で!?どうしてここに!」

もしかして
さっきの場面見てたのか!?!?

「今日店にいないから寂しかった
んだけど・・・どこ行ってた?」

だんだんと私に近づいて来る
堺に私は後ろ歩きして逃げる

「ど、どこって・・・」

遊園地・・・ですけど・・・
何か・・・??

「っ!」

逃げた先にはもう行き止まりで
壁にあたった

逃げれない私に対して
堺は両手を壁につき
私を両手ではさみ
かなり
逃げれない形になってしまった


それをイイコトに
堺はもっと近寄ってくる

「どこ行ってた」

私が顔だけ避けると
堺は私のあごをもちクイッと
もっと近寄らせる

「遊園地・・・」

何で一々言わないとダメなんだか・・・





「吉川と・・・」

「な!べ、別に良いだろ!」

やっぱりさっきの見られてたかぁ
恥ずかしい・・・

恥ずかしすぎる・・・

「良くない」

周りが暗いせいで堺の
表情はあまり分からないが
きっと怒ってる

・・・なんで怒られないと
ダメなんだか

「お前の彼女でもないんだし・・・」

そう言った途端
堺はあごを堺の唇に持っていかれる

「んん!!―――」

またキスだ―――

「ちょ!・・・ん」

堺は一向にキスを止めようと
しない

こうやって強引にいつもして・・・
嫌やがってることも知らないくせに

腹立つんだよ!!


バン―――

私はいつの間にか堺の胸を
力強く押していた

押した反動で堺と少し離れることが
できた

そんなこともお構いなしに
堺はクスッと笑うだけだった

「止めろつってんじゃん・・・」

「でも顔赤いけど」

「うるさい・・・」






堺はニコリと笑い
私の頬に優しく触れる

「だったら・・・俺の彼女に
なってくれる?」

「嫌だ・・・」

無理に決まってる

何で私がこいつの彼女に
ならないとならない

男なんていらないし
堺が嫌いだから

「絶対落としてみせるよ」

「・・・不可能だ」

また堺はクスッと笑い
私の額と額をくっつける

「1%でもあったら不可能と呼べない」

ニコリと笑い
堺は私を離してくれた

「今日はもう真っ暗だし送る」

「いい・・・ついてくんな!」

そう言って堺と別れた




私が家に着くまでの間
きっと
堺は付いてきていたに違いない



























第11章「夏休み大作戦!」

































「今日から夏休み~」

セミの鳴き声がどこからともなく
鳴り響く

気温38度
ニュースでたくさんの人が熱中症で
倒れると言っている

「海はいいから
プールに行こうよ!」

わいわい気分のこころ
相変わらずだ

「・・・・・・ハァ」

逆にけいの気分が良くなかった

臨海の時はあんだけはしゃいでたのに

「けい、どうした?」

わいわい気分のこころをほっといて
けいに話しかける

「・・・明日から14日間合宿だよ~」

部活の話か

「なんで?嫌なの?」

「嫌に決まってんだろ~!?
キツイ筋トレして夜は走らされ
あぁぁぁ!!無理~~~」


なるほど・・・それでか・・・

「けいなら行けるって!」

「このしんどさを分かってないから
言えんだよ・・・1年の頃は
どれほどのものだったか・・・・・・」








「じゃあさ!休んじゃいなよ」

こころが突然話に入ってくる

「そんな事したらみんなに
追いつけなくなるだろ~?
休むは無しだ!!」

「じゃあそんな事チマチマ言わないで
炎出して頑張りなさいよ!!」

こころがお母さんになってる

そう思えば
りんも合宿なのかな・・・

聞いてみようか・・・

「りんも合宿?」

「あぁ?男バス?知んねぇーよ
んなことぉ~・・・」

今のけいは無理か・・・

直接聞いたほうがいいな

「あ、私バイトだから!」

「ちょ!!こんなあたしを
置いていくなよ~!!」

「あーはいはい。私がいるでしょ?
頑張って!みえみえ」

「うぅぅぅ~」

けいがとても可哀想だ・・・

合宿が終わったら私の働いてる
無料チケット券をあげよう







「何々??この店
日に日にイケメン増えてない?」

「うんうん!毎日こよっかな」


「私、あの子タイプ~
ほら、体格のいいさっぱりした子
何かスポーツしてんのかな?」

「え~私はここで働いてる子がいいなぁ
礼儀よくて前に飲み物こぼした時に
すごく心配してくれたときやばかった!」

女のお客さんがまた増えた気がした

それはそれで嬉しいけど・・・

「私!ここで働かせてください!」

「ごめんね・・・人数は足りてるから」

「お願いします!そこを」

「本当にごめんね」

ここで働きたいと言う女性が増えた

きっと黒魔君や堺のことだろう

一緒に働きたいや
店員になって少しでも触れ合いたいや

働くためにじゃなく
ここの男達が目的なんだろう

「ハァ~
最近多いわ・・・」

困り果てる店長

「私は最初に入っててラッキー」

能天気のユイカ

何か申し訳ないような・・・






「えーと・・・じゃぁ
トマトスパゲティで」

「かしこまりました・・・
ねぇ、男バスも合宿ってあんの?」

「え?・・・うん
3週間あるけど・・・」

ええ!!
3週間!?!?

これはきついだろうな・・・
相当じゃないと持たないだろう

「それはご苦労さん」

「なんで?」

不思議そうに聞いてくるりん

あれ・・・
変なこと言ってしまった??

「だって・・・合宿はしんどいって」

「ああ、確かにしんどいけど
結構楽しいよ
3週間終わった後はすごい達成感
でるし、頑張ったら頑張った分だけ
成果は上がる
だから頑張れるし楽しい」

目を輝かせながら言うりんは
相当バスケ馬鹿なんだろうと
改めて思った

「バスケ馬鹿だねぇ
頑張って!」

「おう!」

頬をほんのり赤らめて
照れくさそうに笑うりんを
微笑ましく思った





「ちょっと・・・みえこさん
佐久真さんは来てないんですか?」

「ああ・・・
来ないかな」

「えぇ~・・・そうっすか」

頭を落とす黒魔君

すごい落ち込んでる

「どこを好きになったの?」

「え・・・それは・・・」

「それは?」

顔を赤く染め言う黒魔君

「ホワホワしていて・・・
笑顔がムチャクチャ可愛いくて
その笑顔で名前呼ばれたいとか・・・
守ってやりたくなるんスよ」

まぁ
言われてみれば分かる気がする

少し天然で
いかにも女の子って感じだし

「そっか・・・お前アイツが好きなのか」

急に私たちの中に入ってくる堺だった

「お前・・・なんで・・・」

「あ!みえこさんの彼氏さん」

変な誤解している黒魔君は
とんでもないことを口にする

そのことを聞いた堺は
私の肩に腕を絡めて
クイッと堺の方に寄らせた

「そう。知ってたんだ」

「んな訳ねぇぇぇだろ!!!」

堺のお腹に一発ヒジを入れてやった
のに手で抑えられた

「何してんの。みえこちゃんが
やる事なんて全部お見透視だから」


「んな!!!!」

腹が立つ~~~!!!