とりあえず屋上に入ると、外は曇っていた。 「うーさぶ、あたしやっぱ教室戻るわ」 夏の蒸し暑い空気の中で、香恋がそういった。 「んじゃ、あたし戻るわ」 「おう?」 “暑いのに寒いとか何だよ” 二人ともそう思った。 香恋が去った後、二人きりになってしまった。 「香恋ヤダ!」 いきなり天使が言い出した。 「俺達も、戻ろうぜ」