バシッ!!
「おい、拓磨!! 起きろよ」
「うっせぇな。何だよ。」
人が気持ちよく寝てるっつーのに…
「んな事言ってるばーいかよ!!ポストに、こんなもん入ってたぞ」
は?ケンカならうけたつけど…
ケンカ以外でポストに届け物なんてあるはずねぇーし。
俺は、聖夜から黒い封筒を受けとる。
封筒には黒いバラのシールでとめてある。
雑に封筒から便せんを取り出す。
「ケンカじゃねぇーか。うけたつに決まってるだろ」
封筒を机の上になげた。
「よく見ろよ!!差し出し人」
俺はもう一度封筒を見る。
もちろん、差し出し人の名前は書いてあった。
『黒姫』
そう書かれている。
だが特に覚えはない…
「黒姫が?」
「お前『黒姫』って聞いて何も思わねぇーの?」
「あぁ、思わねぇー」
聖夜が呆れた顔をする。
「相手は女!!女の中の女だよ」
「あぁ、そう」
冷静に答える拓磨。
「って、お前分かってんの?」
「あぁ、分かってる」
「女だぞ。やんのか?」
「やる。けど、手は出さない」
真顔で言う拓磨。
「拓磨が言うなら他の奴らも何も言わないだろうけど」
そう言いながら聖夜が、カレンダーに○をつけた。
「その日、何かあったっけ?」
「はぁ?『黒姫』とケンカだろうが」
つーか、明日なんだけど…
「明日?」
「あぁ、手紙にそう書いてある。場所は、すぐそこにある倉庫」
「ふ~ん。みんなに伝えといて。女だから3人でいい」
「分かった」
そう言い残して聖夜は、出ていった。
俺は気持ちよく寝ている所を、聖夜に邪魔されたからもう一度寝ることにした。