「優しいから。どうしていいかわからなくって、

 怖いんです…

 優しくされると…」


「音々?」


俺が、音々に触れようとすると、びくっと

体を固くした。





今まで、俺が何を言おうが、

のれんに腕押しのようにヘラヘラしてた音々が、

突然俺を全身で拒否している。


なんなんだ一体。


「優しくちゃダメか?」


首をプルプル振る。


だけど怯えた目で俺を見て

困った顔をする。


「ごめんなさい。」


わけわからん。


「わかった。」


極力冷静を装って、

行きつけの居酒屋に音々を連れて行く。