風のように走り去った風奈を見送りながら、亜矢那が菜緒華に愚痴る。

「英語やだー!
だって、あの先生、私ばっかり当てるじゃん!?」

「亜矢那がすらすら読むからでしょ。」

「いや、読んでないよ!?」

「読んでる、読んでる。
なんか発音がキモい程外国人。」

「なんだそれ。」

「やっぱ、あれだね。
韓国人のハーフとかだからだ。」

「韓国人は英語使わないでしょ。
韓国関係ないでしょ。」

確かに亜矢那は母親が韓国人だ。
明らかに英語は関係ないが。


そんな話しをしているうちに
チャイムが鳴る。

眠い目をこすりながら
英語の睡魔と戦いつつ、
やっぱり今日も先生に当てられまくる
亜矢那の姿が見られるのは、
あと数分後のことである。