「立花さん」 「は、はい!」 「あの、ごめん」 岡部くんは静かにそう言った。 “ごめん”って――? 今の状況でいっぱいいっぱいな情けない私は、その言葉の意味をすぐには理解できなかった。 が、岡部君の申し訳なさそうに俯く姿を見て、だんだんと頭の中が真っ白になっていくのを感じた。 「気持ちは嬉しいけど、僕は付き合えない……。ごめんね」 「あ――」 私、立花あかねは、生まれて初めての告白を失敗してしまいました。