「あー、疲れたぁ」



帰り道、ゲームセンターのホッケーやダンスゲームではっちゃけた山本は、そう言いながらダラダラと私の隣を歩く。

「はりきりすぎ」と言ってやると、不満そうに目を細めた。



「あかねちゃんさ、今日楽しかった?」

「え? なに、いきなり」

「楽しかった?」

「う、うん……」



「あ、良い映画も観れたしね」と思い出したように付け足す。

山本は小さく息をはいて、「あのさ」と口を開いた。



「元気になった?」

「またその質問? だから私は――」



普通に元気……そう言いたかったのだが、山本があまりにも真剣な表情をしていて、言葉に詰まった。



「ごめんね」



次の瞬間、山本はそう言った。